合併症２
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まれにある合併症
レーシックはあらゆる手術の中で極めて安全で成功率の高い手術です。近年は最新の機器、技術を用いて手術が行われており、安全性、成功率はとても高く、安心して受けられる手術のひとつだと思います。しかし、ごくまれですが、合併症の報告もあり、１００％成功するわけではなく、レーシックの手術にもリスクがあることを理解しておく必要があります。
合併症は、手術自体が原因で起こる場合のほか、患者の体質や術後の患者の方の生活により起こる場合もあります。
合併症が起きた場合、適切な処置をすることにより、視力にはまったく影響が出ない場合もありますが、後遺症により視力が落ちてしまう場合もあります。
以下で紹介する症例はあまくでもごくまれに発生しうる合併症ですが、どんな手術にもリスクがつき物であることは理解しておくべきです。
矯正誤差
手術の結果、期待していた視力よりも近視寄り、遠視寄りに矯正されることがあります。レーザー照射時の角膜の水分量、個人差、年齢差などが原因とみられます。
その中でいちばん大きな原因となるのは、角膜の水分含有量です。水分量は人によって異なり、水分量が多いと矯正が低くなり、少ないと過矯正となります。
再手術が必要な場合は、視力が安定する半年から一年以上お待ちいただくことになります。ただし、再手術が可能かどうかは角膜の状態にもよります。
近視の戻り
ほとんどの方が近視の進むことがあまりなくなった方たちがレーシックを受けていると思われますので手術前の近視ほど進むことはほとんど無いことと思います。
手術直後は視力が良好でも徐々に視力の戻りが発生するケースがあります。原因はよくわかっていませんが、強度の近視・遠視を矯正した人ほど可能性が高く、長期にわたり近くばかり見る生活を続けていると多少近視の方向に行くのではないかと考えられます。
とくに最近はパソコンの普及により、成年に達した方でも近視が進む傾向にあるため、術後は今までの生活を改め、眼に負担を与えすぎない生活をすることが大事だと思います。
実質内上皮増殖
手術後に戻したフラップの下に、角膜の表面上皮細胞が入り込んでしまう現象。フラップの下に増殖した細胞により、滑らかに削った部分の濁りや凹凸ができてしまい、乱視となってしまう場合があります。
場合によってはフラップを再度剥離し、増殖した細胞を取り除く必要があります。
角膜炎
手術後、早い段階でフラップの下に炎症を起こす場合があります。原因は不明ですが、たいていは身体を清潔に保っていれば炎症は避けられます。
多くは点眼薬で回復しますが、重度の炎症を起こしている場合は、再度フラップを剥離し、洗浄が必要となる場合があります。
フラップのズレ、シワ
手術後フラップを戻した後、ズレや皺が発生してしまうケース。手術で作ったフラップは、術後、自然接着している状態です。術後１ヶ月程度は不安定な状態で、目をこすったりした時に発生する場合があります。半年〜１年くらい経過すれば強く眼をこすらない限り大丈夫ですが、しっかり接着するまでには２年程度要するようです。
このケースでは、不正乱視となる場合があるほか、感染症を引き起こす危険もあり、再度フラップを剥離し、ズレ、皺を伸ばす措置が必要となる場合があります。
フラップ固着不全
治療後、数ヶ月してもフラップが固着しないことがあります。このケースでは、フラップのまわりを縫合する必要があります。
フラップ形成不全
マイクロケラトームでフラップを作成するときに起きる合併症にはいくつかあります。
フラップが部分的にしかできないケース。フラップ中央に穴が開いてしまうケース。フラップが不規則となってしまうケース。
これらのケースでは手術前より視力が低下してしまう場合があります。
感染症
切開した角膜の傷口から細菌やウィルスなどが入り込み角膜に濁りが発生してしまうケース。
場合によっては角膜移植が必要となる場合があります。
